うおっ何と「看聞日記」の一部が現代語訳で無料公開されてる、なんてことでしょう。

yone.repo.nii.ac.jp/record/203

と思ったら先月こんなものが出ていた。知らなかった。正月はこれを読もう。
機関リポジトリとかで一部公開って意外と宣伝効果あるかもしれませんね。どうです先生方。

看聞日記とその時代

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期待に違わず面白かった!

看聞日記とその時代
薗部寿樹 勉誠社 

45歳にして伏見家の冷や飯ぐらいから突然当主になり、結婚して子供も産まれてその子が本家に子供がいないために天皇にまでなってしまう無職の御所様、貞成親王。ちなみに今のご皇室の直系ご先祖でもあらせられる。

看聞日記は、前からさまざまな文献で紹介されており、たいへん興味があったのですが、オンデマンド全訳は価格も高いし原文は読めないし、でここにきて抄訳が出ました。俺得!

ペットを飼ったりお忍びで村を見物したり、上品でのんびりしたおじ様の中世日記が楽しめます。しかし書類偽造などしっかり中世当主の嗜みもわきまえているところが曲者である。

電子書籍なら全文訳も買うんだけどなあ。

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のっけから、息子である称光天皇の側室を妊娠させてしまい、親族の貞成親王に罪をなすりつける後小松上皇(一休さんのお父様)。

困った人たちばかり出てきて中年親王の苦労は絶えない。まじおもしろ。

しかしここで時代の変化を感じるのは、ちょっと前の時代なら、ご皇室は親子で同じ女房を恋人にするとか、外聞はそれなりに悪かったかもしれないけれど、別に問題にもされてなかったんですよね。後醍醐の母上も御宇多天皇と別れてお祖父様の亀山上皇とくっついていたし、光厳天皇も敬愛するおじ上の花園上皇の寵姫に子供を産ませている。それが室町中期を過ぎると姦通扱いに。後小松上皇からすると、息子が何でそんなに怒るのか、若い奴はわかんねえなくらいに思っており面倒くさくなってついその場限りの嘘をついた可能性がある。いや迷惑だけど。

世知辛いな近世って。武家の価値観なのかな。

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