島田潤一郎「古くてあたらしい仕事」新潮文庫
https://www.shinchosha.co.jp/book/105181/
#読書
先日紹介したメロン農家さんと同じく、氷河期世代が地元で起業して身の丈で食べていくための過程を書き綴ったポツポツとしたエッセイ。しみじみとよい。きらきらしい起業経営エピソードを書こうと思えば書ける人が、友達と遊び、家族を作り、原価を計算し、書店営業をする、そのささやかな暮らしと自分の世代を抑制のとれた筆で俯瞰する。ささやかな成功と生活の維持は細やかな観察眼とフットワークの軽さ、幾分の文才、ここには書かれない燠火のような起業家精神が支えていて、誰しも真似できるものではないと思いますが。
良いですか、よいですね。