フォロー

優れた作家は自分のことを、たとえばただの音楽を演る娼婦だとか、ただの職人に過ぎないとか、大したもんじゃないさ的に言うことが多い。
それは今まで、実るほど頭を垂れる稲穂かなというか、常に謙遜して研鑽できるから一流なんだ、すごいなあぐらいの意味で理解していたのだが、最近、これは少し誤解のある理解だと気づいた。

たとえば虚栄心とか、名誉欲とか、親のトラウマからの心の病、強欲、浅い反抗心だとか、そうした余計なことというか煩悩というか、浅はかで愚かな行動パターンや欲求を人間は皆、ふつう抱えているものなのだ。
すごい人というのはさぞ自分にはない素晴らしい素養を装備しているものと思っていたけど、考え方が逆で、自分らが抱えている余計なものを沢山捨てられるからスゴく、一流なのだ。
そんな人はめったにいないのだ。

だから一流の人、本当にすごい人は、どことなく静謐で飄々として、落ち着きがあり、時にとらえどころがなく、時にドッシリと構えたムードがある。
常人にないものをたくさん持っているのではなく、常人が抱えているものを限りなく多く捨てられているのがスゴイ人なのだ。

などとこのインタビューを読んでいて思ったりした。
ヨウジヤマモト×リックオウエンスの対談インタビュー。
system-magazine.com/issues/iss

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。