数字上のわかりやすい人気が増え、俺の能力に対して、それを取り巻く瘴気が濃く重くなっていく。
あの時を思い出すよ。小学生の頃。
俺の作ったボードゲームが人気が出て、他クラスからも人が来て、ゲームマスターとして中心で仕切っていたとき。
興奮した人間たちの生臭い呼気が中心に向かって全部集まり、肉の壁で換気されず、酸素が薄く息ができなくてずっと頭痛になっていた5年間。
もっと爽やかで軽やかな気体で満ちてくれないものかな。
何度か限界が来て逃げ出して、誰もいない静かな図書室で深呼吸しながら本を読んでいたあの時のような気体。
代本板の木の香り。そういうやつ。