『グイン・サーガ 5 辺境の王者』
栗本薫著、ハヤカワ文庫 1980年10月発行
第一部「辺境篇」完結。一気に物語が動く爽快感!
この巻から「あとがき作者」栗本薫らしいあとがきになった。そして、これまでの巻には物語世界での単位に矛盾があった理由が明かされる。単位を正確に決めたのは前巻のあとがきを書いた時だったと(笑)。中世あたりは地域によって度量衡はまちまちだったし、多少はよろしいのでは。グイン世界の単位系はわりとしっかり作られているので、今でも「うちから都内まで7タッド」「電車で1ザンちょっと」みたいに、私にとってはヤード・ポンド法よりはずっと自然に使える。
ともあれ、これでノスフェラスを舞台とした物語は一段落し、次からは占領下のパロの宮廷にメインの舞台が移る、だったはず。ヒロイック・ファンタジーから宮廷ファンタジーへ。戦いと怪異と冒険の世界から、文明と陰謀の世界へ。