『イタリア遺聞』
塩野七生著、新潮文庫 1994年3月発行
エッセイ集。この中に収録されているアルド・マヌッツィオ(アルドゥス・マヌティウス)の話を読みたくて購入。グーテンベルクが活版印刷を発明した頃に生まれたアルドは、ヴェネツィアでギリシア・ローマの古典作品を多数出版。百科事典のような鈍器本ばかりの中、コンパクトな文庫本(八つ折判)を開発し、本の価格を1/8に下げることに成功した。読みやすいイタリック体(の祖先)を発明し、初めて出版物カタログを作成した。アルド社の出版物は丁寧な校閲により誤植もほとんどなかったという。
#本日手に取った本 #読書
この本には載っていないけど、アルド・マヌッツィオの死後400年近くたった頃、彼の名を冠するソフトウェア会社Aldusが設立された。DTP(Desktop publishing)という言葉と概念は、Aldus社の創業社長ポール・ブレイナードによって提唱され、その製品Aldus PageMakerがDTP市場を切り開いた。やがてAldus社はAdobe社に買収されて消滅。PageMakerの後継となるInDesignは、現在でも出版業界を筆頭に広く利用されている。