現時点での、 と創作についての考えをまとめておきたいと思う。

私はそれなりに長く創作活動(小説執筆、イラスト、作曲、演奏)に取り組んできたし、創作者が今のAIの進展に危機感を抱くのはよく理解できる。一方で、純粋に技術的な興味からAIを追ってたので、70年近いAIの歴史でようやく訪れたAIの爆発的成長に感無量な所もある。

たしかに、AIのせいで仕事を失う創作者は出てくる。というかもうすでにけっこう出ている。そういう負の側面がある一方、AIのおかげで、心の中に作りたいモノのイメージがあるのにそれを表出できなかった(うまく文章が書けない、絵が下手、DTMがわからない、といった)人でも創作に参加できるようになった、という面もある。多くの人に創作の門戸を開いた。これは評価すべき側面だと思う。(1/2)

フォロー

ただまあ、現実には、思想や感情を表現するのにAIを使った作品なのか、ただの営利目的でAIが量産した商品なのかを区別できないので、社会通念と法整備がしっかりするまではいろいろ問題が噴出すると思う。だけど、もうAIをなくすことも、創作の場から遠ざけることもできない。AIは、遅くとも5年後には、人が書くよりも面白い小説を書き、絵師が唸るような見事な絵を描き、聴衆が心から感動するような楽曲を生み出してると思う。

ただ、そういう時代であっても、何度も何度も推敲しながら文章を練って仕上げていく楽しみはなくならないし、鉛筆の落書きラフを取り込んでレイヤー100枚以上重ねて数日がかりで絵を描く楽しみもなくならないし、気の遠くなるほど調整を重ねながら楽曲を作り上げていく楽しみもなくならない。それだけは確かだと思う。チェスや将棋でAIにかなわなくなっても、チェスや将棋の面白さが失せたわけではないものね。

誰もが気軽に創作して発表できるようになった時代にあって、何のために創作するのか、そもそも各人にとっての創作活動とは何なのかが問われているのだと思う。(2/2)

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。