>これは安倍さんをずっと礼賛してきた人たちによる神格化ビジネスですよ、と指摘するのはジャーナリストの安田浩一さんだ。安田さんは「『右翼』の戦後史」の著書があり、保守派論壇や「ネット右翼」にも詳しい。その安田さんいわく、こうした本は安倍さんを「スゴかった」と称賛するばかりで、深い中身が感じられない。「誰も安倍さんの死の意味を検証していないからです。緊急出版という形で時間をかけられなかったと思いますが、亡くなった安倍さんに本当に心を寄せるのであれば、なぜ彼が殺されたのかを取材すべきです。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題に切り込んでいないことは、同じメディアの人間として不思議でなりません」
特集ワイド:「安倍さん追悼本」バブル? 事件後刊行相次ぐ 冷静な検証も必要 | 毎日新聞
>野上さんもまた、安倍さん本バブルに不健全なにおいを感じている。「安倍さんの政治姿勢には、幼少期の孤独な家庭環境というものが強く影響を与えている。選挙活動で多忙な両親の家庭愛に恵まれなかった経験から、誰もやったことのないことを成し遂げ、見返してやるという意識があった。何でも一番を目指す性格、そして彼は何度も『政治はやってるふり』『要領が大事だ』と語っていた。メディアは、そうした安倍政治の根源を検証する必要があるのではないでしょうか」