“ ルールというのは融通が利かなくて初めて意味をなす。杓子定規な手続きを頑なに守り通すことを「お役所仕事」と揶揄するけれども、臨機応変に対応してくれる柔軟な「お役所」ほど恐ろしいものはないと僕は思う。柔軟性に欠けた愚直さは、人びとを抑圧するためにあるのではなく、むしろ、恣意的に人々を支配しようとする権力の暴走を防ぐためにこそ必要だからだ。そう思っているからこそ、この数年の政治が目的達成のためには手続き上の瑕疵は問題にならないというモーレツ社員的な、およそ近代国家の洗練からはかけ離れた世界観で駆動しているようでひどく恐ろしい。ビジネスマン感覚の権力者にアジャイルでエンハンスされる世の中が、いいものになるとは思えない。自社や自部門の利益を最大限追求することや、ステークホルダーのニーズに素早く応えることは、それこそ私企業の仕事であって、政治家のやることではない。”
柿内正午『プルーストを読む生活』(H.A.B) p.475-476

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エゴサしてたら人の日記に自分の日記が引用されていて、いいこと言うなあと思った。

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