いつかの日記。
「寒くて動きが緩慢。思考も行為も緩慢。日記を書いていて思うのは思考というものに完全な独立などありえなくて、この体にずいぶん規定され方向づけられているということ。個々人の体を捨象したかのような言説がありふれているけれど、そういうどこにもありえない視点から冷笑するような態度は、日に日にダサくなってきているように感じる。僕が十代前半の頃は斜に構えて傍観者を気取ることが格好良いような風潮があったけれど、いまやそういう振る舞いはすっかり「おじさん」のものになってしまったな、と思う。自らの無謬性を疑わず、遠くから人を判断したり揶揄したりする態度。取り残されたものが暗いところから他人の足を引っ張るような屈託。そういうの、僕はもういいな。僕はこの体の唯一性を引き受け、いくつもいくつも間違いや矛盾を増やしていきながらも、素直に嬉しいときに嬉しいといい、楽しいときに楽しいといい、好きだなと思うものを好きだといいながら過ごしていきたい。森高千里の「臭いものにはフタをしろ‼︎」を聴いている。
」