わかしょ文庫・宮崎智之「随筆かいぼう教室」というトークイベントの配信を流しながらうたた寝。自照文学という言葉を初めて知った。自身の経験と思索から批評を試みる主観的な叙述を特徴とした文学らしい。もうすこしディグりたくなる言葉だ。私小説と心境小説を、心情を語るために人物を造形するか否かで区別していたというお話も面白い。
Twitterが「ミニブログ」として個人サイトやブログの派生としてでてきたとき、日本の多くの人はこれを自照文学の空間として、内省と体験に基づいた思索の現場として受け入れたのではないか。でももともと内包されていた設計思想に沿うようにして、徐々に弁論の場になっていった。弁論の担い手からすれば、個人の日々の他愛もない感情の機微など、議論を妨げるノイズでしかないだろう。個人の感想を排除する風潮への抵抗としても随筆はある。日記も。一方の意見を排斥し対立を超克するのではなく、個々の固有性を際立たせ差異を差異のままに共存させる言葉の運用。
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