杉江松恋さんとの月刊SFレビュー番組「これって、SF?」、8月号その3です。
私は、ジョッシュ・ワイス『ハリウッドの悪魔』(北野寿美枝訳/早川書房)を取り上げました。
1950年代にマッカーシーが米大統領に就任していたら……という改変歴史小説です。主人公の刑事が追うメインの謎はもちろん、実在の人物たちがこの歴史ではどんな役割を果たしているのか、にも注目です。
杉江さんが取り上げられた小田雅久仁『禍』(新潮社)は、身体の一部をテーマにした7篇を集めた怪奇幻想小説短篇集。
非日常に踏み込みつつ大きな破局というよりねじれた幸福のようなところに向かう話が多くて、どこか後ろめたい、暗く不思議な魅力に満ちています。
動画中でも話していますが、今年のベストを争う作品集と言っていいでしょう。