「SKIN/スキン」は白人至上主義から脱却しようとあがく白人男性を描いており、もちろん彼の転向には意義があるが、でも途中で出てくるムスリムの青年たちは誰にも助けてもらえなかったんだよな…それって非対称では…と公開当時考えていたんだよね(明確にヘイトクライムと伝わるように描かれてはいる)。
あのときにぼんやり感じたものを、もっと突き詰めておくべきだったのかもしれない。最近こういうことをよく考えています。
ガイ・ナティーヴ、新作の「タタミ」は「聖地には蜘蛛が巣を張る」のザーラ・アミール・エブラヒミとの共同監督で、「イスラエルとイランがコラボした映画は初めて」とも言われていて、東京国際映画祭で評価がメチャ高かったから劇場公開したら見たいと思っていたんですが。
「タタミ」は「イランの女子柔道選手が国際大会で勝ち進むが、イスラエルの選手との試合を避けるために政府から棄権を要求され…」というストーリーらしく、イラン政府に批判的な内容なのは明らかで。
今のイランには批判されるべき点が多々あるのは承知しているが、大っぴらに親イスラエルの立場を表明している監督がイランを批判的に描く映画を、どういう気持ちで見たら良いんだろうか…と思ってしまった。