ヴ愛のモクマさんの『肯定』がチェズレイにもたらしたもの
自分が娘という立場で同じように母に複雑な思いを抱き、いまは親として子を育てる立場で思うのは、人は追い詰められたらまともな判断が出来なくなるし、どんなに愛していても手放してしまいたくなる瞬間があるということで、自分と母のことを思い出すと、チェズレイがどんなにサティアに酷いことをされたとしても、わずかでも感じた母の愛に縋りたくなる気持ちもわかるし、育児で追い詰められたときのこと思い出すとサティアの気持ちが痛いほどわかるし、それを周りに否定された時(母を悪く言われたり、否定されたり、子育ての愚痴をこぼして叱られたり)に「本当の当事者しかわからない」と思いながらも、そう考える自分は間違ってるんじゃないかと思うことがあったから、こうやってそこに確かにある『愛』を肯定してもらえる幸福をチェズレイはモクマさんからもらったんだな……としみじみ思った。人はいいも悪いも全て肯定してもらえることで自分を愛し、見つめ直して、誤った行動をあらため、その先の人生をよりよく歩むことのできるものだと思うし、そうされることで私も立ち直ってきたから、私は人の痛みに寄り添うことを生涯忘れたくないなと思う。