ニャンは死者と共に生きている人だな、と思う。奇妙な言い回しだけど。マージナルな存在なんだよな、彼は。竜と人の境界で生きているというのもそうだし、生者と死者の間でも生きている。
彼にとって、自分が辛くも生きながらえたことの「意味」とは、命の限りその場所に立ち続けることなのかな……と。
生者と生者の殺し合い、憎み合いによる断絶なんて実はまやかしで、真に断絶した二者とは生者と死者との間の断絶であるということ、そこには橋なんて架からないこと、そして全ての死者は、確かに一度生者だったのだということ……。彼はそうしたことに誠実であろうと生きている、のだと思う。
それはエメトセルクに対峙するヒカセンと重なるよね、とも。