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屋根裏ハイツの新作「父の死と夜ノ森」を観た。演出は中村大地。松田正隆の同名戯曲はwebから読む事ができる。福島県の富岡町を舞台に、人が病死したり、人が人を殺したり、家が燃えたり、そういう事が余白だらけの戯曲の中で淡々と起きる。マレビトの会による過去の上演映像も観たが、観客と終始正対して台詞を発し、特定の動作を抽出して反復させたようなマイムを繰り出す人物達の、情動の流れは遂によくわからない。逆に言えば日頃どれだけ余白の埋められた、情動の流れの読み方の定められた物語を受け取っているのか、という話でもある。一部のカオティック・ハードコアなどの、情動の導線がちぎれちぎれになった音楽が私は好きだが、一人の人間の中で起きている事も、大抵常にちぎれちぎれ、あるいは着地のない宙吊りのようなものか?などと雑に思うし、断定口調や論破話芸が持て囃されるのも、そうした不安を背面から照射しているのかも?と、これまた雑に思う。さて、合計20人が登場するこの戯曲に中村大地は7人の俳優で挑むというから凄い。感想は後日、世界に類例のない形式で公開する契約なのでここには書けないが、未見の方も楽しめると思うので観て欲しい。

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