夜中に「メン・イン・ブラック2」を観ていたら、故ビズ・マーキーが田舎町の郵便局で働いていて驚いた。ウィル・スミスと何故かヒューマンビートボックス言語で会話をしていて、流石はビズ・マーキーだと思った。宇宙人は人間社会に密かに溶け込んで暮らしていて、その事を地球人の大半は知らずに生きている、という本シリーズの基本設定は、ひとつ間違えると差別扇動的な側面があるのでは...?と幾つかの危うげな描写を観ながら素朴に思ったりもしたが、歴史的には「隣人はもしかして宇宙人?」に類する恐怖や想像力が、アメリカを生きる人々には長らく身近なものとしてあり、フィクションの世界でそれは繰り返し反復されてきた、みたいな話なのかなと思う。前作に引き続き、登場するガジェットのデザインはどれも気が利いていて楽しいし、レンタルビデオ屋の会員証の履歴情報に事件解決の手掛かりが刻まれているくだりはなんらかのロマンがあって良かった。このところ地上波で幼少期に観たか観ていないかの記憶が絶妙に曖昧な、90-00年代のアメリカ映画を寝る前にぼんやり観るのが習慣になっていて、人間の晩年、或いはちびっ子の冬休みっぽい気持ちになっている。