「アバター」を12年ぶりに観たがとことんまで男性キャラが阿呆だった。公開当時は「第9地区」の方が偉くて「アバター」は駄目、という一部論調があったような記憶だが、男性の阿保さに関しては「アバター」も大健闘だと思った。阿保だけど憎めないとか(ピュアis正義問題)、そこに自己投影が出来てこちらも救われる(ボンクラ自己肯定問題)とかでもなく、全員ひたすら腹立たしい阿保さ加減なので、序盤は観ていてしっかり男性が嫌いになる。しかも、なんせ白人酋長モノなので、結局白人男性が世界を救う結末で、やっぱり男性にちゃんと腹が立って終わる。ナイーブですぐにエモくなる傷つき易いナルシスティック男性さえ1人も出てはこず、あるのはマッチョばかりであり、まともな人間は全て女性である。その雑なステレオタイプ自体がそもそもどうなんだという話も当然あるし、お前も男性だろうが!というブーメラン含みではあるが、久々に観たら気になる部分が昔と随分違っていた、という話である。前半は楽しいが、後半のしつこさは大変なものがあり「だいたいわかった」からが本当に長い系の作品で、昔の大作ってこうだったなぁ...となる。新作は観に行くと思う。