友人の劇作家と沖縄料理屋でご飯をした。劇作家が音楽をやってみたいと言うので、絶対にやった方がいいと思うと力強くヒーローは答えた。何かのスタートに遅いも早いもないので、こういうのって、つまりはやっていくしかないんですよねとhonninmanは真剣な調子で繰り返し、2軒目の、豆電球みたいな灯りしかない江戸時代の夜のような暗さの店で、知らないクラフト・ビールを通の如き顔で注文してへべれけになったりした。店の向かいにレコード・バーの店舗があり、劇作家がインターネットで口コミを即座に調べたところガタガタに酷評されていて、東京は怖いと思った。演劇界の抱える構造的な問題について、老いた親のケアと社会的包摂性のこれから、書き言葉と話し言葉の差異、コロナ禍初期に乱立したZOOM演劇の再考、保守の身体性とヤンキー、来年の抱負、菅刈に巨大邸宅を持つ野望など、割としっかり真面目な話を沢山して良いお年をと互いに言い交わして別れた。気が大きくなっていた。帰りがけ、別の友だちの名前が街の巨大な街頭ビジョンにバキバキに映し出されているのを見て、honninmanよ、お前こそやっていくしかないだろうがよ...と思った。