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学生時代、本当に何も作らず人とも交わらず無気力に腐っていたので映画ぐらいは知っておこうと一時期集中的に映画を観た。とは言え参照先がタマフル〜映画秘宝周辺の文化圏という事もあり、自意識をこじらせた男性のセルフ慰撫的な映画への自己投影が専らだった。先日10年ぶりに「ハングオーバー!」を観て、流れで続編と続々編も観た。続編以降は初見だったのだが、こういう「ダメな大人がダメなまま何かを成し遂げる・救われる」系のコメディ映画が大好きだったかつての自分を思い出す。各所で似たような遍歴を持つ大人達の大反省会も盛んに行われているように思う。ところで本作にはアランという人物が登場する。彼は場の空気というものが一切読めず、デリカシーのない冗談を常に言い放ち、あらゆる社会活動は不能に近く、しかしピンポイントな特技や才能、天才的な閃きを持ち、ここぞという場面でそれを発揮し物語を無理やり駆動させる役割を担う。ダメな大人にとって一番の救いとなる人物造形と言えばこれである。3作連続で本シリーズを観て、一番好きなキャラクターは誰かと問われれば私はアラン一択の可能性があり結局自分は何も変わってないではないか、とも思う。

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