眼鏡人生の開始からも12年が経つ。楽しみにしていた広島国際アニメーションフェスティバル2010に夜行バスで駆けつけるも、スクリーンが終始ぼんやりと滲む視力低下の現実に直面、慌てて市内の眼鏡屋で急造したものが眼鏡の初代。店頭で太めのフレームが流行りと聞き、その後も太めのフレーム眼鏡が何代も続く。当時、泥酔した状態で眼鏡を外すと視界にドロドロの枠が出現し不思議だったのだが、「普段は太めの眼鏡フレームの存在を消去してくれている自前の脳内パッチツール機能がアルコールにより麻痺、フレーム周辺の景色が、眼鏡を外したあともパッチツールONの状態で認識される為、視界にドロドロの枠が見えている」との結論に、深い思索の果て到達。酒席で毎度、眼前に浮かぶドロドロフレームの説明を泥酔しながらおっ始め、上述の持論を全力で捲し立ててはポカンとされたりするなどその暮らしぶりは酷かったが、眼鏡を新調する毎にフレームは細くなり、そのような醜態も次第に減り、誰とでも美味しく酒を飲みかわせる見事な社交的成熟を遂げ今に至る。ちなみにライブ中は眼鏡を外すクラーク・ケントスタイルのヒーローなので、客席は常にだいたい溶解している。