「ファスト映画」の投稿者への5億円の賠償命令が話題だが、honninmanにはエクストリーム映画テラーという、観る側にそこそこの時間と体力を要求するコスパ最悪の動画コンテンツを連続して投稿していた時期がある。これは一本の映画のあらすじを、自らの声と身体で「実際にやってみる」というパフォーマンス動画で、ごく少数の人に「いいね」と言ってもらった実績がある。一本の映画を実演するのに40~50分は要するし、ぼちぼち実際の当該映画を観た方が恐らく手取り早く、かなりの「スロー映画」体験である。ネタバレも厭わない回とネタバレはしませんと豪語して結局ネタバレする回と、何に気を遣っているのかネタバレに異様なほど慎重な回が混在し、諸々のホスピタリティは欠落している。演劇のワークショップで、他の参加者に行ったインタビューを自身の体験として語り直すというものがあるが、いい風に言えばそうしたものと性格は近いのかもしれず、見聞きした事を自分の身体を一度通して吐き出す作業は、己の偏愛や偏見のありかも意識できて面白い部分も多々ある。記憶力も向上するので映画テラー、全人類にお勧めしたいが大変疲れるので私は暫くやらない。