この3月で閉館となる箱根の星の王子さまミュージアムのショップで、単葉機Blériot ⅩⅠの組み立てキットを見つけた。この飛行機、カフカがブロートとともにイタリアの航空ショーで見たものなのだ。カフカは『ブレシアの飛行機』で、その航空ショーのようすを詳しくルポしている。
ブレリオXIで英仏海峡を越えて有名になったフランスのパイロット、ルイ・ブレリオが、イタリアのブレシア近郊モンティキアーリで開催されたこの航空ショーに同じ機体を駆って登場。ショーにはダヌンツィオやプッツィーニも訪れていた。カフカのルポルタージュにはそのふたりの名も出てくる。
カフカは「労働者傷害保険協会」に勤めていた、工場などでの事故に関係する傷害保険の専門家なので、機械にもおおいに関心があったし、詳しかった。『流刑地にて』のあのヘンな装置など、そのたまものだろう。
上野成利、高幣秀知、細見和之編著:『啓蒙の弁証法』を読む(岩波書店)をご恵贈いただいた。
https://www.iwanami.co.jp/book/b618304.html
これは読むのが楽しみな本。第Ⅰ部が本文テクストにそくした解説・論考、第Ⅱ部はコンテクストにそくした論考。引用には徳永恂訳岩波文庫版の頁数が添えられている。
長年の研究会での検討を経て、共同作業の結果をまとめた、ということのようだ。
今年はフランクフルトの社会研究所が設立100周年。それに合わせての出版というわけではないようだけど。
東京で生まれて埼玉で育って神奈川で暮らしています ドイツのこどもの本やおとなの本やドイツ語教員や独日翻訳