拳の強さをSS将校に気に入られてボクシングの決闘選手に抜擢されるも、闘って倒さなければならない(射殺させたくなければ殺さなければならない)のはユダヤ人、時には助け合って生きてきた友人。特別待遇を受けてガス室送りにならず生かされても、自分が生き残ったことへの悔恨が消えないヘルツコ(ハリー)・ハフトをベン・フォスターが演じる。
若くして生き別れた恋人の存在が心にあったことが自分を生き延びさせてくれたと信じて、戦後アメリカに渡ってからもその恋人レアを探す。探す中で出会った人と結婚して子をもうける。しかし、戦争と収容所で負った過去の傷は理解者を得ても癒えない。
ボクシングものというだけでロッキーを意識してかなり好きに寄ってるうえに、ベン・フォスターも好きなのでかなり好きだが、やっぱり想像よりダメージが来る。ナチスの収容所映画は、どれも人間の厭な部分を抉り出して見せるものであり、忘れないために分かって観に行ってはいる。
実話ベースで、原作は息子アランの著作。この物語も、アランが父親のヘルツコに聞かされた話、という体裁であることが最後に明かされる。