検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?
「ナチスは良いことをした」という「意見」が物事を多面的に捉えたものでなくただただナチスのやってきた罪を覆い隠そうとする有害な「意見」であることが改めてわかった
そもそもその「良いこと」がどういう背景で行われたのか、それがナチスのオリジナルなのか、その「良いこと」は実際にどれくらいの恩恵を持ち出したのかが本書では論じられているが、その諸々をすっ飛ばして雑に「ナチスは良いこともした」ということが今まで研究を重ねてきた研究者たちへの冒涜と言っても過言ではないだろう
ナチスだけではないが、こういった専門家や研究者たちが長年積み重ねた研究の一部だけを掻い摘んで素人がSNS等で「実はこういう一面もあった」とわかった気になって投稿することの危険性をもっと考えなければならないと思った