著者の二人が創作物や実際の事例も交えながら、二人がLGBTQ+やフェミニズム、ジェンダーなどを取り巻く社会に現在抱えているモヤモヤや理想を丁寧に言語化して語りあっている一冊だった。
会話の中で、森山氏は問題に対して学術的な観点(であってるかな?)で話しているのに対して、能町氏は自身の心情を思いのまま話しているという印象を受けた。(どちらがいいとか言いたいわけではなく、どちらも重要であり、軽視してはいけない点)
ただ、一点文句をつけるとすれば、装丁や帯が若干過激かつマジョリティに対して喧嘩腰では?と思ってしまった。界隈の人ならそれくらいでいいだろと思うだろうし、実際私自身も中身が喧嘩腰である分には別にいい(実際チョイチョイ喧嘩腰なとこはあったし)んだけど、私としてはこの本自体が能町みね子氏というネームバリューのある方(この言い方も本当は良くないけど)を起用しているのもあって、内容的にもこれまで全然興味のなかったマジョリティ側にクィアのことを知ってもらえるきっかけになりうる本だと思ったので少し勿体ないなあ…と思ってしまった。