X(旧Twitter)でこんなものを見かけてしまったけど、この国連広報センターの中の人は英語か日本語の両方、あるいはそのいずれかの運用能力が十分備わっていないのではないだろうか。
パレスチナとイスラエルの順序が逆になっているし(これは絶対にやってはいけないことで、このアカウントの中の人は悪意でもあるの?と疑いたくなるレベル)、thriveが訳出されていない。あと、”be harmed”は「傷つき」ではなく(それだと勝手に傷ついて感傷にひたっているみたいな意味も帯びてくるし、原文の受動的な意味が落ちてしまっているので)原文に忠実に「傷つけられ」と訳したいよな。
広報という立場上、表現の選択や微妙なニュアンスの違いなんかにも最大限の注意を払わなければならないはずで、この投稿は長文で文字数に制限があるとか翻訳の精度よりも速報性が求められるというわけでもないはず。
@mrmts“I am on the side of every civilian, Palestinian or Israeli, who is harmed, or who lives in fear,”はグーグルの翻訳では「私はパレスチナ人であれイスラエル人であれ、被害を受けたり、恐怖の中で暮らしているすべての民間人の味方です」。つまりイスラエルでもパレスチナの立場ではなく民間人の立場だと訳出してます。
ツイッターのターク氏の日本語は、文書構造を適切に把握してないですね。
@heping そこは厳密に言うと間違ってはいないと思いますが、こらはまさに先の投稿への返信で投稿した言語運用能力の問題で、要は句読点の打ち方、修飾語句の位置やかけ方で意味も変われば曖昧さや厳密さも変わってくるのですよね。そういったことまで理解して読んだり書いたりできるようになるためには、相当な訓練を要するわけだけど、当該の投稿は句読点の打ち方や語句の並べ方からして日本語としても非常に稚拙だなと感じたのです。まあ人の批判をすると自分に返ってきますから、あまりこういうことは言いたくないのですが。
@heping 授業の前でばたばたと書いたので入力ミスなどあるし、その訂正と追加で投稿しておきます。
「こらはまさに」は「これはまさに」の入力ミス、「相当な訓練を要する」の前の句点は取ります。あっても別にいいけど。
それで、"civilian"の訳のところだけど「民間人」というのがいちばんすっきりくる訳語ではあるのだけど「市民」もそれとほぼ同じ意味で使われるのですよね。もちろん、市民(citizen)と言った場合、地方公共団体である市区町村の市民という意味もあるし、"civlilian"に近い意味での市民の意味もあるので、文章の書き方によっては誤解を招くような書き方にもなりますよね。
他方で民間人(civilian)と言った場合、軍人ではない文民という意味もあれば、公的な立場でない市民(citizen)といった意味でも用いられ、後者だと国連の職員を含まない使い方もされ得るのですよね。ただ、このヴォルカー・テュルク人権高等弁務官(国連広報センターの翻訳でも外務省のサイトでもタークと訳されているけど)は、国連の職員等も含めて使っているんじゃないかなと個人的には思ったり。