十角館の殺人の感想(原作トリックにも言及しています)と実写化、もしくはメディアミックスについて。実写版のネタバレ、原作も含みます。屍人荘の殺人についても少しふれてます
大仰な台詞、鼻につく態度、文章で読んでもありえない漫画チックな人間をそういう人間に落とし込んでちゃんと視聴者の注意をひいているんですよね、つまり原作通りの役割を担っている。
監督が長年やりたかったという言葉は嘘ではなくマジなんだろうなと思うほどの原作尊重。改変したのは江南さんところの大家さんとのコミカルなやりとり。これはおそらく1986年代の空気感を強調させるためかなと思いますが少なくとも原作設定の邪魔にはなってなかったかなと思います。
映像化するにあたって原作を素材化している作品のあまりの多さにうんざりしたり、ミステリーファンだから皆このトリック知ってるだろうから地上波で犯人側から見たクリスティーをやるという相当無神経なことを愛でやった人もいるので。
有名ミステリーのトリックをここまで大事に扱った映像化って珍しい気さえする。