ノーベル文学賞のたびに村上春樹を引っ張り出したあげく下げる必要性はないと思うけど、「あのときは言えなかったけど、村上春樹の小説の女性の描き方や性描写がほんとうに辛かった、苦痛だった、傷ついた」とことあるごとに言いたくなってしまう気持ちは正直とてもよくわかる。
旧ツイッターで「今ならキモいって言える」という声が一瞬あがった反動みたいなんだけど、村上春樹の擁護がすごくて、いやいや今でもぜんぜん「キモい」とか言えないじゃん…という感じだし、『ノルウェイの森』から入るからダメなのであって『風の歌を聴け』から始まる鼠三部作を読めという声も大きいので、タイトルに惹かれて手にとった『羊をめぐる冒険』の冒頭でなんっっっだよこの本は!!!!てめちゃくちゃ激怒した10代の私が暴れてしまう。
村上春樹を批判するなら村上龍は?とか、ほかにも女性の書き方に問題がある男性がいくらでもいるのでは?とかはそうなんだけど、国内のみならず海外からも高く評価されてノーベル文学賞に手が届きそうだと言われているのは村上春樹だけなので…というところかなと思う。あの女性の描写で国際的にも絶賛されてるというのがしんどいのだ…
…というようなことをBlueskyで書いたら、やっぱりRP先で「それにしても旧ツイッターでの雑なけなし方はひどい」とか「思い入れはないけどあれだけの作家なのだから敬意は持つべきでは」とかぐちゃぐちゃ言われていた。
SNSのつぶやきなんて大多数はせいぜい「個人の感想」でしかないし、まして広く世に公開されて(かつ一定の支持を得ている)作品に対して「私はキモいと思いました」ぐらい言わせてくれよ…と思っちゃうんだけど、旧ツイッターでは「何かを批評するのに『キモい』などという語を使うのは云々」みたいなことまで言い出されてるし、有名作家のアカウントがやたらと「小説家なんてみんなキモいよ」とかそれこそ雑なこと言ってるし…
いやもうこの状況がキモい。なんなんだ、「春樹キモい」っていう感想はそんなにタブーなんですか?ごめんけど村上春樹の女性の描写はふつうにほんとうにキモいです。
そしてこんなこと言ってるけど、私も『東京奇譚集』とかはかなり好きですよ。村上春樹、圧倒的に短編のほうがいいと思うんだが、長編のほうが売れてるっぽい不思議…