週末にPARCO劇場で『海をゆく者』を観ました。
プレイガイドではチケットがほぼ売り切れてしまっていたんだけど、電話で当日券を受け付けていたのでかけてみたら取れた(しかもめったに取れないような観やすい席だった)
stage.parco.jp/program/seafare

しょうもない中年男性たちがしょうもなく酒を飲みつづけていて、個人的には怒鳴り声や物を投げるなどの挙動がしんどくなる瞬間もあったのですが、クリスマスに奇跡が起きるやさしい話でした。

とにかく冒頭からリチャードの不潔さが強調されるし、リチャード以外の登場人物も飲みかけのお茶を床にそのまま捨てたりして、彼らが生活している部屋もあまり清潔ではなさそう。
シャーキーがまめまめしく片付けようとしていたけど、シャーキー自身が誰よりもひどい癇癪を起こしてめちゃくちゃにしてしまうし…

とびきりの奇跡が起きても今日は昨日の続きで、ろくでもない境遇が劇的に変わったりはしないので、やっていくしかないんだよなあ。
小日向文世さんのロックハートがすごく良かったです。

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(以外ネタバレです)


かなり淡々としょうもないおじさんたちのしょうもない日常が描写されていき、派手な出来事も起こらないまま進んでいたので、一幕の終わりごろに悪魔が出てきたときにはびっくりしました。

ポーカーで負けて諦めたというのもあるけど、シャーキーはもう悪魔に連れて行かれたかったんじゃないかな…
日々の生活だってぜんぜんうまくいっていないから。

でも結局、エースのフォーカードというものすごい手をリチャードが決めて、まさにクリスマスの奇跡で、プレゼントなんだけど、そういうものすごい幸運によってもたらされるのは「生活の続き」なんだな…としみじみ思ってしまった。
散らかった家で、しょうもないしがらみの中で生活をやっていくしかない。
まずお湯をわかすところから。

でも「破滅が来ない」ということこそが最大の恩寵なのかもしれない。

悪魔が音楽を嫌うのが面白いな〜と感じました。

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