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『ロスト・キング』を観てきた。2012年に、ひとりの無名の女性が主導してレスターの駐車場からリチャード三世の遺骨が発掘された、という実話の映画化だ。
このとき発掘されて再埋葬されるまで、リチャード三世には墓がなく、簒奪者として王族の名誉も剥奪されていたことをこの映画を観て初めて知った。

女で、中年で、研究者としての地位もキャリアもないアマチュアで、純粋な情熱によって行動するフィリッパが、権威を持つ男性に常に軽く見られることが強調されていた。フィリッパを助けるのは女性や子どもなど、相対的に力を持たない人たちだ。発掘を指揮するバックリーも、フィリッパに協力すると決めたときはレスター大学から解雇されて後ろ盾がなかったし、資金難に陥ったときクラウド・ファウンディングに応じたのはリチャード三世の「ファンクラブ」と嘲笑されるリカーディアンたちや、フィリッパの家族だった。
馬鹿にされ、低く見られがちな立場の人たちの「感情」「直観」などがプロジェクト成功の大きな要因になるところが清々しかった。

劇中劇のリチャード三世がすごく良かった。そのリチャード三世が幻覚としてフィリッパの前に現れる、というのにも最初は戸惑ったけど、途中からは楽しんだ。
culture-pub.jp/lostking/

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