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『ファントム』を劇場で1回、そして大千秋楽の配信でも観た。
2019年に雪組での上演を観ていて、それも大変良かったのだが、宝塚で観た海外ミュージカルを宝塚でない(いわゆる「外部」の)プロダクションで観ると話がものすごくよく理解できる現象をまた体験してしまった…

まずエリックが明確に「精神的に大人になりきれていない、身体だけが育ってしまった子ども」として演出されていて、とても腑に落ちた。
エリックに素顔を見せるよう懇願したのに驚いて逃走してしまうクリスティーヌを、仕方ないとはいえほんとうにひどいな…とずっと思っていたんだけど、でも、素顔を見たにも関わらず彼女は戻ってきてエリックを膝に抱くわけで、エリックは最期はクリスティーヌにすべてを受け入れられたのだ、ということが初めてわかりました。

ブレイクの詩を朗読するクリスティーヌが途中で声を詰まらせるところが好きだったなあ。あの場面は背景の布が落ちる演出も印象に残りました。ベラドーヴァの抱いていたおくるみが紙ふぶきになるのも。

キャリエールは何度観ても所行が最悪なんだけど、何度観てもYou Are My Ownが良すぎて憎めない…演じていた岡田浩暉さんもとても素敵でした。
umegei.com/phantom2023/

キャストは真彩希帆さんはじめ、みんな素晴らしかったです。
ヤングエリックもきれいな歌声ですごかった!

あとアンサンブルとオーケストラもあらためて良かったな〜としみじみ…一幕のビストロの場面とか、観ていてすごく楽しかった。

ちなみに「宝塚で観た海外ミュージカルを外部のプロダクションで観ると話がものすごくよく理解できる体験」の初回は帝国劇場の『ガイズ&ドールズ』でした。
私は2015年の星組版が大好きなんですが、Sit Down, You're Rockin' the Boatがどういう意味を持ってるのかよくわからなくて。で、帝国劇場で観たら「えっこの曲めちゃめちゃ重要じゃん!!」って衝撃を受けたっていう…
たぶん、宝塚版だとナイスリーじゃなくてスカイがこのナンバーを歌っちゃってて、それで混乱したんだと思う。

『ファントム』でも、宝塚版は物語上の必要性以外の事情でアレンジを加えていたんだな、と感じてしまう箇所があり、やっぱりそれって個人的にはあんまり好ましくないよなあ…とあらためて思ってしまったのでした。

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