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これはほんとうにそう。私も子どもの頃から「釣られた」という感覚がいちいち思い出せないほどにあり、「恋愛から遠そう」なキャラクターに出会うたびに、惹かれてもいいけど釣られないぞ、油断するもんか…と身構えることがほとんどあたりまえになっていた。「裏切られるぞ、期待するな」とどれほど言い聞かせていようと「このキャラクターは自分と同じ星の住人かもしれない」という期待は生まれてしまい、その期待が裏切られるたびに傷ついた。そんなことで傷つく私が繊細すぎるのだ、と自分を責めていたので、私を傷つけつづけた「そんなこと」にクィア・ベイティングという名前があると知ったときには救われたものです。

ちなみに私に『ロータス』を書かせたもののひとつはこの度重なる傷つきだったと思う。私を裏切らないキャラクターや物語がどこにもないなら、自分で書くしかないと思ったのでした。
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