そんなつもりはなかったんだけど、いつのまにか、作文をするとき「自分が生きているこの現実をできるだけ正確にうつしとること」にばかり気を取られていたな、と急に思った。もちろんそれは必要な姿勢のひとつではあるのだが、でも、フィクションなのだから、私はもっと自由にやってもいい、いや自由になるべきだ。何も書けない、という感覚がこの数年ずっとあるけれど、これだけぎゅうぎゅうに自分を縛っていては小説は無理だな、という理解が突然やって来た。まだ直感の段階で、あまりきちんとした言語化ができていないけれど、この直感はおそらく外してはいないだろう。