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締切り地獄が一段落したので、ようやく田野大輔・小野寺拓也編著『〈悪の凡庸さ〉を問い直す』(大月書店、2023年)を読了。〈悪の凡庸さ〉俗論への論駁や歴史学からのアイヒマン像の現在などを入り口に、議論はアイヒマンの主体性と責任に及ぶ。たいへん刺激的。amzn.to/3rShyoJ
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より

やはり第2部討論パートの第2節「アイヒマンの主体性をどう見るか」のところがおもしろかった。イデオロギーと個人の主体性、組織の中の個人の主体性とをアタマの中で整理しつつ読む。

ここ大事:田野「アイヒマンは筋金入りの反ユダヤ主義者だという見方があって、もう一方に、彼にとってイデオロギーは単に使える道具にすぎず、それを自分の出世の手段として利用していたという見方があって……この二つの見方のどちらも真実の一端を突いているので、それをいかに架橋したらいいのか」

戦後日本における、文学者の戦争責任論―戦後主体性論争を経由した視角から見ると、このあたりはどう見えるだろうかなどと思い

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