金田直久『白装束集団を率いた女』(論創社、2022年)で描かれた、あの集団がどうしてゴリゴリの反共になったのか。その起点を思い出しており。
「八○年代は千乃正法会の活動がもっとも充実していた最盛期であるが、この時期に会の内部でもっとも盛んだったのが“反共活動”であった。機関誌の「JI」は一九七八年の創刊一年ほどは精神性や思想に関する記事が主であったが、徐々に国際情勢や国内政治の記事が増え始め、創刊二年が経った八一年からは掲載記事の半分近くが「正論」や「ゼンボウ」、さらには統一教会系の「世界日報」といった反共・保守系論壇誌紙からの転載で占められる号もしばしばあった」