フォイエルバッハ『キリスト教の本質』で言及されてるアイゼンメンガー、悪い奴だな…
「バーデンの領邦君主たちのユダヤ人への比較的好意的な対応は,大学側の反対を押し切ってまで,他領邦に先んじてユダヤ人の教授就任を(僅かな例でしかなかったが)実現させた(当時はまだ私講師職Privatdozenturは制度化されていなかった)。しかしそれと反比例するかのように,ハイデルベルク大学のキリスト教徒の教授側から,激越な反ユダヤ主義を宣伝する怪文書が発表された。1700年,オリエント学教授アイゼンメンガー(JohannAndreas Eisenmenger 1654-1704)は,『暴かれたユダヤ教――徹底的にして真実なる報告』と題する一種の暴露本を公表した。かれはこの書のなかに,ユダヤ教の宗教的著作における反キリスト教的と思われる部分を細大洩らさずに網羅し,ペスト流行以来の低次元の反ユダヤ感情を掻き立てることに大いに寄与した」
杉浦忠夫『ハイデルベルク大学のドイツ・ユダヤ人教師 1386-1914』(『明治大学教養論集, 321, 1999年)https://m-repo.lib.meiji.ac.jp/dspace/bitstream/10291/8905/1/kyouyoronshu_321_83.pdf