数年前に出版されて気になっていた本を図書館から借りてきました。
「実力も運のうち/マイケル・サンデル、鬼澤忍翻訳」
で、読み始めて最初のプロローグの2ページ目で意味不明な文章にぶちあたりました。その文が以下で、何を言ってるのかわかりません。
「これらの無情な死亡記録は、特権と剥奪という基礎疾患を反映するものだった」
著者はこの前に、コロナパンデミックの時にアメリカでの死亡者が白人より黒人やラテン系の住人のほうが多かった事実を述べていて、この文とうまくつながりません。明らかにおかしいので原文にあたってみたら該当する文は以下でした。
「These grim tallies of death reflected pre-existing conditions of privilege and privation.」
これを見て意味がわかりましたが、翻訳者の誤訳がひどくてびっくりです。というか、誤訳以前に原文をそもそも読んでいるのか?と思うくらい。読んでてこれだとちょっと…。正直言って読み進める気が失せました。おそらく他にもおかしな文がたくさんあるような気がします。
#読書
(続き)
試しに「pre existing conditions」だけをGoogle翻訳にかけてみると「既存の病状」と出てきましたが、ここから基礎疾患に誤訳した? それでも、privationは窮乏とか欠乏といった意味で剥奪などという言葉がどこから出てきたんだか…。
ちなみに、現在のGoogle翻訳に上記の文を通してみたら、自分が原文から理解したのと同じ、きちんと意味が通じる文になってました。
「これらの悲惨な死者の数は、特権と貧困という既存の状況を反映している」
調べたら英語の原書も図書館にあるようなので、時間がかかっても辞書片手にそっちを読んだ方がよさそうです。
#読書