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たとえば「がんばってる障害者」がたくさん出てくる24時間テレビ的なものに感動してるうちは、戦争関連のコンテンツをいくら見たところでその悲惨さ・罪深さを理解することはないだろう。なぜなら、どちらも「かわいそうな(状況で必死にやってる)他者」としか認識していないので、自分とは遠いところで起きてる無関係の出来事だと思っているから。その状態でいくら知識を得たとしても、自分の感情を刺激してくれるコンテンツ=エンタメとしか思わない。

実際に自分の身近なところで起きている現実の出来事を直視するのは意外と難しく、かなりの胆力が必要なことで、しかし我々人間は幸か不幸か現実逃避をすることができてしまう生きものなので、直視しなければならない現実の出来事をエンタメとして認識・消費することで逃避してしまうことがある。

現実の出来事を直視すると「正しいこと」をしなければならなくなる場合がある。たとえば暴行の現場に出くわしてしまったとき。その際、止めに入ったり警察を呼んだりすることが正しいことなのはわかっているが、実際にそれをやるのには意外とパワーが必要で、我々は結構な割合で見なかったことにしてしまう。しかしそれでも直視せざるを得ない場合、わかっていても正しいことができない自分を守るためにその状況をコンテンツ化してしまう。

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