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「《ああいい さっぱりした/まるで林のながさ来たよだ》というこの特異な声の出来事、どんな意味にも解消できない翻訳不能の出来事を、まさに異物のような起源として、テクストが書かれ、そしてそのなかではじめて詩人は、この声に対して応えるべき言葉を返すのである。それは、対話、遅れてきた対話となる。一度もそれとしては起こらなかったかもしれない対話がいま起きる。過ぎ去った取り返しえない時間の感覚を置いて、しかし二つの発話の時間が対話の空間を生み出す。テクストという空間のもとで、途方もない時間錯誤(アナクロニズム)の出来事が起きるのだ。」(小林康夫『出来事としての文学』講談社学術文庫 1995年、p.26)

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