「「仮構fabulation」・・・の概念は、・・・・アンリ・ベルクソンにあっては、人間が社会的紐帯の解体 [ゴロンとした世界] に抗って宗教的な絆を構想する幻視能力 [まさに神学] であり・・・ドゥルーズが仮構と呼ぶものは、・・・思考や観念や感覚の不可逆の解体のなかで、それらをいびつなままに繋ぎとめ、それらにまがいものの絆を与えることで、かろうじて崩壊に抗う「行為acte」である。ドゥルーズはこれを「カオスに抗する闘い」と呼ぶだろう。」(小倉拓也「老いにおける仮構ードゥルーズと老いの哲学」『atプラス30号』,pp.68-69)