フォロー

「カントと言えば、一般には『永久平和論』が有名かも知れない。しかしその本の原題(zum ewigen Frieden)は、本来「永遠の安らぎを」という墓碑銘の言葉だった。

永遠の平和は、死後にしか訪れない。生きている限り、人間は戦わなければならない。人間の生は、人類の歴史は、平和を求めつつ、永遠に戦いを繰り返す「絢爛たる悲惨」に充ちている。

 だがそれは。たんにペシミスティックな相の下にあるだけではない。

神から自立し、楽園の無邪気な生き方から抜け出した人間にとって、それは人類史の彩りであり、自立の証しであり、いさおし〔勲し〕であるとさえ言えよう。たとえそれが、破局を前にしたものであるとしても。」
(徳永恂『絢爛たる悲惨』作品社2015年,p.294)

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。