「シューベルトの≪未完成≫がシンフォニーとして存立しえるのは、その未完成ゆえの美に依拠している。近代が存立しえたのも、その未完成のプロジェクトという属性ゆえである。いつか完成する「理想の近代」像を想うのは、徒労であり見果てぬ夢かもしれない。」(水野和夫『国貧論』太田出版,p.104)
「僕はシューベルトは当時絶望のどん底にあって未完成の残りの楽章 ・・・は書く気力がなくなってしまったのではないかと思う。また少なくとも2楽章の最後は (言葉で言えない美しさ。
淋しく切ない・・・転調の素晴らしさよ!) 自分の悲しい運命を間違いなく分かっていて作曲されたと思えるほど完結してる。」(藤岡幸夫) http://fujioka-sachio.com/fromsachio/fro