「(中島)人権概念は最初から普遍的だったわけではありません。それが普遍化されるプロセスがあったということです。・・・それはさまざまな経験を積み重ね、いろいろな論議を経ることで深められていったのです。」(M・ガブリエル、中島隆博『全体主義の克服』集英社新書2020年)
「(中島)西田幾多郎の学生であった高山岩男は、『世界史の哲学』において「新たな世界史」を唱え・・「絶対無」という「絶対的普遍性」を日本が支えるという仕掛けを作ろうとした・・・それが「大東亜共栄圏」という言説の哲学的基礎づけでした。しかし、それは完全に失敗したのです。」
「(MG)ドイツ中心の普遍性も似たようなもです。わたしたちは同じようなことを経験し、何度も失敗しました。アメリカが現在、同じ愚を犯そうとしています。アメリカは第二次世界大戦以来、ドイツ中心の普遍性を模倣してきたのです。彼らは「アメリカの普遍性」があると実に素朴に考えています。」