『仁義なき戦い 完結編』で村田静子(中原早苗)が抗争で死んだチンピラの弟、明夫(桜木健一)に死に装束の足袋と草鞋を履かせながら、言い含めるように語りかける。
静子:アキちゃん、途中でへこたれんと、一生懸命歩くんよ。今度こそ、迷うたらいけんよ。
ナレ:この時広能は死んでいった少年の顔さえ定かに覚えてはいなかった。だが、彼はこの日、ようやく引退を決意したのである。
原爆ドームを映し出す最後のカット、戦争という巨大な暴力とヤクザ抗争という卑小な暴力を重ね合わせてこの映画は終わる。( 2018年1月18日)