「塵に訊け」(栗原俊秀訳、未知谷)は、本文から始まります。すぐにファンテの文章のよさを感じられます。そこがいいなぁと思いながらよんでいたら、本のうしろの表紙に栗原さんがその理由をかいてありました。
「ブラック・スパロウ版には、チャールズ・ブコウスキーが序文を寄せている。この..新訳では..(序文を)末尾に置くことにした。..ブコウスキーの言葉を介さずに、まずファンテ自身の作品に触れてほしいという願いがあるからである。..そろそろ「ブコウスキーによって再発見された」という枕言葉から、ファンテを解放してもいいのではないかと訳者は感じている」