イブン・トゥルカ(1432 年没)の文字論を存在一性論と全く異なる学問だとする現在支配的なテーゼに、反証を突きつける論文を書きました。「文字・存在としての一者:イブン・トゥルカにおける新ピュタゴラス主義とイブン・アラビー派の伝統」、近刊です。

二週間後にせまった魔術研の公開講演会@慶應三田について、ヒライさんと宣伝スペースを行います!今夜 9 時、よかったら覗きにきてください!

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クーナウィーは、師匠のイブン・アラビーや弟子のジャンディーと比べると、あまり占星術に関心がないイメージだったけど、完全に勘違いだった。『コーラン開扉章注釈』には、タリスマン制作への言及やアラビア文字の点をのぞいた形(どう考えてももっとあるが、クーナウィーの数え方では 12 個)を黄道十二宮と結びつけて論じたりしている。

最近、中世イスラム圏の一部の史料にみられる特異なピュタゴラス表象に関心を引かれ、古今の論文(といっても、さほど多くはない)を拾い読みしている。全般的にいえそうなのは、これまでも現在も歴史家たちの関心は古代の伝記等からの実際の借用関係に集中しているということ。彼らはムスリムによる創造的捏造にはあまり関心がないらしい。例外的にサファヴィー朝期の哲学史研究(e.g., ミール・ダーマード、モッラー・サドラー)では、この次元に関心が払われているが、17 世紀以前の 500-600 年は巨大な空隙になっている。これはヘルメスをめぐる研究状況とくらべると、だいぶ立ち遅れの感が否めない。ヘルメスの名を冠した膨大な中世アラビア語文献 Arabic Hermetica は、古代ギリシアの対応物 Greek Hermetica と、ほとんど直接の関係をもたないとされるが、それ自体の重要性のために、ある程度の研究は行われている。アリストテレスが弟子のアレクサンドロスにヘルメスから伝わる秘密の叡智を授ける、という体裁で捏造された Ps.-Aristotelian Hermetica も、最初期アラビア魔術史を代表する超重要史料として、近年、飛躍的に研究が進んでいる。擬ピュタゴラスの実態研究も、同様に進められるべきだとおもう。

アダムさんと橋爪さんのやりとり、興味深い

今日はこんなのを観た。北米の YouTuber がイラク北部のクルディスタンを旅する映像。体が動かなくなる前に行っておきたいなぁ。
youtu.be/TWRlPKMAkRk

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