仕方がないのでカナと台所に引っ込んで冷蔵庫から残りの食材を手当たり次第取り出して何かもっといいものが作れないか考えながら食欲睡眠欲排泄欲の三代欲求は妨害されると普通に死ぬものだし例えばトイレに行かせてもらえず人前で漏らしたとしたら尊厳を毀損されていて人権の問題…人権ってわかる?子どもの権利条約とか…図書館で聞くといいよ司書さんはいつだってそういうの聞かれたいんだから…大人はああしていとも容易く子供を惨めな立場にして最悪な気持ちにさせておいて手をついて頭下げて謝ることもできなくて人は誰でも時さえ経てば大人にはなれるんだからああいうのがいることもまああり得なくない全然あり得なくない一番身近で守ってくれるはずの親でもああいうことはするけど、
飛行機は海に落ちたっぽくておっちゃん兄ちゃん姉私は助かった 妹とははぐれた 暑い国でたぶん来たところと同じくらい貧しい 肌の白いきれいな服を着ている人たちの住む街とそうじゃない人の住む街(工作で割り箸と粘土とテープで作ったような)は明確にエリアが分かれていて、私たちはよそ者で勘が働かなかったから肌の白い人のエリアに入り込んでしまって、バスに乗ったら警察がきて兄ちゃんは刺されて(警察に撃たれたんじゃなく警察の目の前で民間人に刺された)おっちゃんはバスの座席を外して盾にしながら私を逃した 姉とははぐれた
走って逃げて歩いて歩いて足が止まったところがたぶん貧民窟の商店街みたいな場所で、身を寄せ合うように縦に細長い狭い店がいくつも並んでいる中にラッキーピエロの(ラッキーピエロとは北海道函館のローカルハンバーガーショップです)看板があって何か雑貨屋みたいなことしてて、店主のおじいちゃんが手招きして呼んでくれた 隣の店は理髪店でそこの店主は怖い顔した若者で、おじいちゃんは口がきけないから若者がおじいちゃんを通訳したり守ったりしているそうで、私はそこに住んでいいことになった
そこで目が覚めた そういう夢