Twitterのリストに「海に眠るダイヤモンド」を捕まえて「虎に翼」に比べるとチャレンジが足りない、海に眠るダイヤモンドに比べると虎に翼がいかに画期的だったのがよくわかると作家と思しき人のTweet回ってきて、椅子から転げ落ちるかと思ったわ。虎に翼がガン無視した日本社会に横たわる階級問題に真正面から取り上げてるドラマ見て、その言い方はないでしょうよ。
そもそも比較してどうこうという言い方も宜しくないし、日本の戦後司法セクター最大の問題人物である石田和外を完璧にウォッシングしたあの作品のどこが画期的なのよ、というね。青法協弾圧主導したのも石田だし、公務員ストを認めない方向に舵切ったのも石田コートだし、今の日本社会が根腐れ起こしている原因を作ったのは退官後の石田の立ち振る舞いがデカいわけでしょ。まぁね、確かに主人公の三淵さんが司法人として尽力したことに殆ど触れずに、ほぼ関係ない栃木尊属殺を後半の軸にして作劇したのは評伝劇としては画期的かもしれないがさ。三淵さんが取り組まれた未成年者の権利保護や女性の社会進出の妨げの要因の一つとして石田が果たした役割はめちゃくちゃデカいだろうに。
虎に翼を褒める人は、なんかどこがネジが狂ってんだよな。何なんだろうね、これは。
俺は学生時代の描写は素晴らしかったと思うよ、虎に翼は。見事だった。本と演出がバッチリかみ合い、そして美術や考証含めてとても丁寧に作っていた。でもその後、オトナになってからの展開、特に新潟編以降、何故か作劇が狂い始め、夏以降はど素人の俺が見てもわかるくらいに脚本が崩壊していて、とても残念なことになってたけど。海に眠るダイヤモンドの中に戦前、戦中の在日の人たちのことを触れている部分がほとんど見えないからと言って、虎に翼もちあげ、こちらを下げることはないだろうよ。ドラマには描けるキャパは限られているんだからさ。すべて詰め込んで結局一番大事な階級問題をおざなりにしたら、意味がない。まあそれが今流行りのアイデンティティムーブメントだと言ってしまえは、それまでだけども。
QT: https://fedibird.com/@gaitifuji/113654239649549600 [参照]