EXCLUSIF.JO 2024 : « Imane Khelif a été anéantie de découvrir d’un seul coup qu’elle pourrait ne pas être une fille ! » https://archive.md/2024.08.10-111301/https://www.lepoint.fr/sport/exclusif-jo-2024-imane-khelif-a-ete-aneantie-de-decouvrir-d-un-seul-coup-qu-elle-pourrait-ne-pas-etre-une-fille-09-08-2024-2567609_26.php
“女子ボクシングの新オリンピックチャンピオンは、生物学的には男性である。彼女(彼)のトレーナーとの独占インタビュー。女性ではない核型、染色体の問題、そして(医学的に)抑え込んでいたテストステロンの問題について語る”
これを読んじゃうとねえ。だいたい予想していた通りの話で、だから細かなことには触れたくなかったんだよねえ。どうしたってプライバシーの問題に触れざるを得なくなる。そしてその背景にも。この話を突き詰めていけば、キャスターセメンヤ氏の時のかなり苦い結末を想起するしね。AIBAが碌な組織でないのは間違いないが、この件の取り扱いに関してはそれほど大きな間違いはしていないんだよ。このインタビューからも見えてくるけど、表に出てきてない様々な利益相反の構図があることは容易に想像できる。キャスリーンストックが指摘していたようにアルジェリアに対する歴史的な、そして現在のフランスに横たわるイスラム憎悪の感情なども相まって、問題はどうしたって拗れることは目に見えている。そこにIOCの権力闘争も重なり問題はさらに拗れる。予測された通りの混乱は生まれ、後ろでこれを狙ってた奴もいてさらに混迷は深まる。
ただプロトコル通りにプリンシパルを貫けば、物事はこんな複雑にならず処理はされていたはずだ。結局、競技参加者の人たちが置いてけぼりにされ空中戦が続く虚しい結果だけが残った、という感想である。この問題が起きる前からそれは燻っていたが、因みに今の状況(組織間対立の影響)だとロス五輪ではボクシングは競技から外される予定となっている
QT: https://fedibird.com/@gaitifuji/112942354673956639 [参照]
あとこの問題を肯定的に語っている日本のジャーナリスト、学者、活動家の皆が大きな間違いをしているのが「決定」という言葉の意味の取り方だよね。
発達生物学において、「決定」とは細胞または組織の分化を促進するプロセスを指す。したがって、「人間では染色体が性別を決定する」と言うとき、発達生物学では実際には男性と女性の発達を促すメカニズムを説明しているのであり、誰かの性別を「識別する」という意味で決定する方法を説明しているのではない。明確に言うと、性別がさまざまな方法によって決定されるという生物学の論文を読む場合、それは一般の人が理解する「決定される」という意味とは異なる意味になる。
ここの部分がわかってないから、意味不明な解釈がまかり通り、クマノミとかの話が持ち出される。それなりの肩書ある人らなんだから、本当にいい加減にしてもらいたいと心から思う。バカバカしいにもほどがある。
多分日本では続報が報じられることはないだろうから補足しておくと、今週に入り、昨年ケリフ選手のチームに招かれたトレーナーの一人が、ケリフ選手がパリで受けた検査の中身について話している。トレーナーの話によればAIBA(国際アマチュアボクシング協会)による検査結果の報告を受けた後に、チームはパリにあるDSD疾患専門の医療センターにケリフ選手の血液サンプルを提供して独自に再検査を要請した。しかしセンターからは「染色体やホルモンに問題がある」と、結果としてAIABの判断に間違いないことが確認されていたことが明らかになっている。そしてこの検査を受けてチームはCASへの上訴を取り下げた。この時点で国際陸連や国際水連の基準と照らし合わせてもケリフ選手は女性カテゴリーでは出場できないことになっていた。もちろんAIBA基準でもだめだった。それから五輪までの間に何があったのか?それはきっと世界中のジャーナリストが追跡しているところだろう。
この件の主要な論点は、参加基準を満たしているか、いないのか、というルールのはなしであって、差別か否か、という話ではない。